イケメンJリーガーが美人棋士に学ぶ 判断力をつちかう精神性とは… - Athlete Channel(アスリートチャンネル) - gooスポーツ

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サッカー

池谷 友喜

2019/1/17

イケメンJリーガーが美人棋士に学ぶ 判断力をつちかう精神性とは…

 前回のインタビューで、将棋の精神性に興味があると話していた池谷友喜選手の希望に応え、谷口由紀女流二段との対談が実現した。サッカーと将棋の共通点を見つけ、プレーに生かしたいと意気込む池谷選手から谷口棋士へと、集中力の鍛え方や気持ちの切り替えなど、精神性に焦点を当てた質問が投げかけられた。

編集者 岩本義弘
(株)TSUBASA代表取締役

将棋を指し続けることでしか身につかない集中力

池谷:大学生の頃、チームメートに将棋のスマホゲームを教えてもらい、試合や練習の移動時に対局していました。駒の動かし方もわからなかったんですが、今は3級にまで上達しましたよ。

谷口:すごい! でも、ゲームをきっかけに将棋を始めてくれる方、多いみたいですね。

池谷:味方の駒をどう動かしたら敵がどう動くか…と二手三手先を読むのがサッカーの戦術にも似ていて、どんどんはまりました。将棋の精神性の部分にも興味があるんですが、対局中の集中力はどのように養っているのでしょうか。

谷口:よく聞かれるんですけど「将棋をやり続ける」としか答えられないですねえ。でも私は集中力が切れやすいほうだと思います。「お昼ご飯何食べようかなあ」とか考えている時もあります(笑)。

池谷:本当ですか!?

谷口:対局中ずっと集中しっぱなしという人は逆に少ないと思います。むしろ、一度集中を切って席を離れたほうが、良い手を思いつくときもあるんです。一手一手に集中しすぎていると、全体に目がいかずに「良い手が落ちている」ことに気づきませんから。サッカーこそ90分間状況が変化し続けるので、ずっと集中をしていなければいけないというイメージがあります。

池谷:選手にもよりますけど、僕の場合は守備の時に集中が最大限になっていて、攻撃の時は集中を少し解いて全体を俯瞰して見るような感覚を持っています。

谷口:オンオフの切り替えの意識は共通しているんですね。

池谷:よく対局後に、打った手をすべて再現して解説していますよね。よく覚えているなと思うんですが、あれも集中力のなせる業なんですか。

谷口:集中力と記憶力だと思いますが、なぜか私の場合、将棋の記憶力は将棋にしか生かせないんですよ。なので、神経衰弱とかは苦手です(笑)。

反省するなら試合が終わってから

池谷:対局中にミスをしてしまったときにはどのように切り替えているんですか。

谷口:師匠には「反省は終わってからしろ」とよく言われていました。勝敗に大きく影響する決定的なミス、「悪手」を2回打ってしまうと、ほぼ挽回は不可能と言われています。でも、一度目の悪手で心がぽきっと折れてしまうと、つい繰り返してしまいがち。なので、ミスをしたら「ここからがスタート」と言い聞かせ、気持ちを切り替えるようにしています。

池谷:不調な時期というのもありますか。

谷口:まさに2018年がそうでしたね。今まで勝てた方法で勝てない。「手が見えない」時期が続きました。

池谷:そうしたときに立ち直る方法はあるんですか。

谷口:私の場合は普段と何も変えないようにします。次に跳ね上がるときのために力を溜めている時期なんだ…と思って基本的にはいつも通りのことをします。池谷さんはいかがですか。

池谷:僕は逆にめちゃめちゃ練習しなおします。練習後にチームメートが帰ろうとしていても、自分だけシュート練をしたり…。すごく苦しいんですけど、「ここで負けんなよ」、「やめたら終わりだろ」と言い聞かせながら…。

谷口:周りはそういう言葉をかけてくれないので、自分と対話するしかないんですよね。

池谷:特にプロになってからはいかに自分で自分を追い込めるか…が大事だと感じました。

 ここで、実際の将棋盤では打ったことがないという池谷選手のために、谷口棋士に6枚落ちのハンデ*をつけて対戦してもらうことに。

*力の差がある相手との対戦の際、差を埋めるために強い相手の駒を最初から減らして戦うこと。「飛車角落ち」が一般的だが、「6枚落ち」は、飛車、角行、両方の桂馬と香車の計6枚を減らす一番大きなハンデ。

 一手目から熟考する池谷選手に対し、谷口棋士は「いい守り方ですね」と相手をほめる余裕を見せながら、迷わず次々に駒を取り、追い込んでいく。
 一方の池谷選手は「ここは攻めるだろ」、「落ち着け」と自分に発破をかけるも、徐々にその勢いもそがれ、開始10分もせず勝負あり。

谷口:最初は、池谷さんらしくイケイケドンドンの将棋でしたが、途中から守りに入っていきましたね。

池谷:分析されると恥ずかしいですね…どのあたりがポイントでしたか。

谷口:この場面、池谷さんは「角」を取られないように逃げの手を打っていましたが、ここはあえて損を取るという判断もできました。

池谷:普段は攻めしかできないので、受けになって焦ってしまいました。自分を貫ききれなかったです。

 プロとの圧倒的な棋力の差を前に、本来のプレー(?)が出し切れなかった池谷選手は、何とか一矢報いようと、将棋と同じく判断力が問われる異種3番勝負を挑むことに…。

(次回に続く…)

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アスリート一覧

サッカー

池谷 友喜(いけや ゆうき)

所属
カマタマーレ讃岐
ポジション
MF
背番号
17番
生年月日
1995年6月27日
身長/体重
163㎝/60kg
得意なプレー
ゴール前での動き、豊富な運動量
選手経歴
FCKマリーゴールド→ロアッソ熊本ジュニアユース→ロアッソ熊本ユース→中央大学→ロアッソ熊本→カマタマーレ讃岐
趣味
読書
好きな言葉
失敗とは転ぶことではなく、立ち上がらないことである
棋士

谷口 由紀(たにぐち ゆき)

所属
日本将棋連盟 女流二段
棋士番号
42
生年月日
1993年3月6日(25歳)
出身地
大阪府大阪狭山市
師匠
森信雄七段
趣味
運動
好きな言葉
一意専心
SNS
Twitter:https://twitter.com/muroyan_y
(株)TSUBASA代表取締役

岩本 義弘

経歴
(株)TSUBASA代表取締役/編集者/インタビュアー/スポーツコンサルタント&ジャーナリスト/サッカー解説者/南葛SCゼネラルマネージャー
1972年7月24日生まれ。 (株)フロムワンにて『サッカーキング』『ワールドサッカーキング』など、各媒体の編集長を歴任。国内外のサッカー選手への豊富なインタビュー経験を持つ。現在はメディア関連の仕事に加え、『キャプテン翼』のライツ事業をグローバルで手がける。

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