2024年のパリ五輪で正式種目化!? ひそかに人気のそのスポーツとは…
「フットゴルフ」というスポーツをみなさんはご存知だろうか? ゴルフとサッカーが融合したこの競技は、まだ産声をあげて10年ほどとその歴史は浅いものの年々、世界中で普及が進み競技人口を伸ばしている。そんなフットゴルフで女子世界一を目指しているのが、前田春香選手だ。今回は、フットゴルフを始めて間もなく日本代表入りした前田選手自身が、この新しいスポーツの魅力を語った。
プレー人口も急増中! サッカーボールでゴルフ?
フットゴルフは2009年にオランダでルール化されたと言われ、サッカーとゴルフの要素を掛け合わせた新しいスポーツです。実際のゴルフコースでプレー、ゴルフボールをクラブで打つ代わりにサッカーボールを蹴って、カップに入れるまでのスコア数を競います。「サッカーボールを蹴ってゴルフをする」とお伝えすれば、イメージしやすいですね。
フットゴルフ先進国のアメリカでは約600コース近くでプレーできますし、イギリスには200以上のコースがあります。欧米を中心に急速に普及が進んでいて、2024年のパリ五輪での正式種目化も目指しているんです。日本では毎年3月から11月までジャパンツアーとして大会が各地で開催され、11のゴルフ場がフットゴルフの常設コースとして運営されています。プレーヤーの数も年々、急速に伸びているんですよ。
元なでしこ・丸山桂里奈さんとともに日本代表としてプレー
そんな誕生したばかりのフットゴルフに「日本代表なんてあるの!?」と思われるかもしれません。実は2012年にハンガリーで第1回ワールドカップが開催されました。2016年にはアルゼンチンで第2回ワールドカップが、そして昨年12月にはモロッコで第3回のワールドカップが行われ、33ヵ国から約500名が参加する規模になりました。この時は元なでしこジャパンの丸山桂里奈さんも日本代表となり、私も一緒にプレーしました。
ワールドカップで女子部門が開催されたのは、この第3回大会が初めて。私は16位タイでした。丸山さんという世界一にまで上り詰めたアスリートから、メンタル面や試合への挑み方など様々なことを吸収させていただき、非常に貴重な体験になりましたね。
兄の影響で始めたサッカー 大学時代にフットゴルフへ
私がフットゴルフを知ったのは、立命館大学で学生生活を送っていた2016年夏のことです。同じ学部の男の子が既にフットゴルフの日本代表になった経験があり、その友人から紹介されて大会に出場したことがきっかけでした。ラッキーにも、その1ヵ月後にパシフィック・トロフィーという日米対抗戦の日本代表選考があったので、フットゴルフを続ける動機にもなりましたし、結果的に日本代表になれたのでそこからはフットゴルフ中心の生活を送っています(笑)。
元々は兄の影響で小学校3年生から宮崎南高校3年まで男子のサッカー部に所属していたので、ボールを蹴ることについては少なからず自信がありました。それでも、フットゴルフはサッカーができても、なかなか思うようにプレーできないことが多々あります。状況に応じてキックを変える、狙った場所にボールを止めるなど技術的な部分も必要ですが、それ以上に大切なことがコースマネージメントやメンタル面。そういった点ではゴルフ的な要素が多くあり、やればやるほど奥の深いスポーツであることを感じています。
またサッカーは走力や体力が必要で、ゴルフは上達するのが非常に難しいですが、フットゴルフは老若男女を問わず、誰でもいきなりプレーできることも魅力のひとつ。開放感がある緑いっぱいのゴルフ場を歩くだけでもとても気持ち良いので、今回フットゴルフを初めて知った方にはぜひ、体験していただきたいな、と思います。
サッカーは両足を使ってピッチを走り回る・・・というのはすぐにイメージできると思いますが、フットゴルフは主に利き足でショットします。特に私はその傾向があるのですが、ゲーム数をこなすと、利き足がかなりきつくなります。なので、サッカーと同じトレーニングを重ねれば良いというものではなく、独自のトレーニングも必要になることを理解してもらえると、よりゲームの楽しみ方が深まると思います。
次回は、私の「夢」とフットゴルファーとして活動する中での「悩み」についてお話したいと思います。
(次回に続く…)
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