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池谷 友喜

2019/1/23

JリーガーVS女流棋士3本勝負、第一弾はジェンガ対決 カギは度胸か戦略か…

 Jリーガーと女流棋士の対談から、それぞれ勝負の精神性がテーマとなった。将棋ではもちろん、本職の女流棋士に軍配。では両者にとって、まったく畑違いのゲームなら、対戦はどうなるのか、3本勝負を組んでみた。
 初戦はジェンガ。判断力と度胸、手先の器用さが問われるゲームだ。Jリーガーと女流棋士…ジャンルが異なる2人のプロにとって、日ごろの鍛錬の成果は勝負どころのどこに表れるだろうか。もしくはまったく表れないのか…。

編集者 岩本義弘
(株)TSUBASA代表取締役

池谷選手×谷口棋士(ジェンガ)

ジャンル違い2人のプロ、勝負の決め手は…

 勝負強さがモノを言う(?)ジャンケンの結果、先行は谷口棋士に。第一手、ジェンガを積み重ねたタワーの、下から4段目左端のジェンガを引き抜いた谷口棋士は、より容易であるはずの真ん中を敢えて選ばない、積極的な攻めの姿勢を示した。

 続いて池谷選手が狙ったのは、そこから二段下の逆サイド。ジェンガ・タワーはまだびくともしない。

 谷口棋士の二手目は、一手目で抜いた段のひとつ上。これも端のジェンガを人差し指で危なげなく押し出し、そのジェンガを最上段に積み重ねた。池谷選手はここで少し悩み結果、上から3段目の真ん中を無難に抜いた…かと思いきやここでタワーに若干の揺れ…。池谷選手、試合中にはない驚きの表情を見せる。初めに下段を2本抜いた分、早くも安定感が失われてきている模様。

 谷口棋士の二手目は、一手目で抜いた段のひとつ上。これも端のジェンガを人差し指で危なげなく押し出し、そのジェンガを最上段に積み重ねた。池谷選手はここで少し悩み結果、上から3段目の真ん中を無難に抜いた…かと思いきやここでタワーに若干の揺れ…。池谷選手、試合中にはない驚きの表情を見せる。初めに下段を2本抜いた分、早くも安定感が失われてきている模様。

谷口「けっこう危ない、ここ」。

池谷「そういうこと言わないでくださいよ…」。

 勝負は中盤へ。下段を中心に攻める谷口棋士に対し、池谷選手は安全策を取り上段から中段をテリトリーにし始める。

谷口「ここ抜きたいなぁ。ここ抜いたら楽しくないですか」。

 そう指すのは下から2段目の左端のジェンガ。すでに右端が抜かれているため、それを抜けば、わずか1本でタワーのほぼすべてを支えることに。谷口棋士が指をかけると、意外とすんなり抜いてしまった。

谷口「これがジェンガですよ」。

 池谷選手は追い込まれた。いろいろな場所のジェンガを指でノックしながら、抜きやすいかどうかをチェックするが、なかなか決心がつかない様子。

池谷「全部固いなぁ」。

谷口「そう、そのあたり全部試したんですけど、固いんですよね」。

 すでに全体像が見えている谷口棋士の余裕の返しに、焦らされる池谷選手は、上から4段目の真ん中をなんとか引き抜いた。

 後半になっても谷口棋士の判断の速さは健在。この時点でまだ一度も上段に手をつけておらず、勝負師の顔が窺える。一方の池谷選手も負けじと、空間が目立つようになってきた下段の端のジェンガを引き抜き、スタッフを沸かせた。

俺を呼んでいるジェンガがない!

 ここで谷口棋士が初めて上段のジェンガに手を出す。上から5段目の真ん中と谷口棋士にしては少し無難な選択。しかし抜き終わったジェンガを落とすというアクシデントに思わず小さな悲鳴を上げる。タワーは無事だったが、わずかな振動さえ倒壊につながりかねないフェーズのため、さすがの谷口棋士にもちょっと緊張が走った。

 両者とも徐々に一手一手にかける時間が長くなって行く。

池谷「俺を呼んでるジェンガがない」。

 名言まで生まれる中、池谷選手も下から4段目を残り1本にする攻めの一手に出、谷口棋士にプレッシャーをかける。

 どこをつついても揺れるようになってきたジェンガ・タワーは、穴だらけの下段がずっしりとした上段を弱々しく支えている状態に。さらに谷口棋士が下段のジェンガを引き抜き、1本でタワーを支える段が7か所に増えた。

谷口「やばいやばいやばい! 今傾いたのがわかった!」

 自分が引き抜いたジェンガを上に重ねながら、谷口棋士が叫ぶ。しかしタワーは倒れず、ほぼ最悪な状態で池谷選手の順番に…。

 下段はすでに抜くところがほぼない状態。中段と上段の境目あたりには、わずか1本の段があり、上段のジェンガを抜きにくくさせている。

池谷「もう動くとこないな…」。

谷口「その1本のところ作ったの私です」。

 すっかり谷口棋士の術中にはまった池谷選手は、ここから5分ほど熟考。スタッフから「優柔不断だなぁ…。女性に対しても、そうなの?」とヤジが飛ぶ。意を決し、ちょうど真ん中あたりのジェンガを選択し、指をかけると…。ここでタワーが、盛大な音を立て倒壊。

池谷「あぁ~!!!!」

 池谷選手の絶叫が会議室にこだました。

 一貫して勝負を楽しんだ谷口棋士が勝利。「何にも計算してないですよ」。谷口棋士は飄々と言うものの、序盤で下段のジェンガを抜き取り、タワー全体を不安定にする戦略が、後半で池谷選手を追い詰める結果に。これが将棋で培われた、先を読む力なのか…。

 勝負師の2人にとって、負けられない戦いは、次の「ブラックジャック対決」へと続く。

(次回に続く…)

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アスリート一覧

サッカー

池谷 友喜(いけや ゆうき)

所属
カマタマーレ讃岐
ポジション
MF
背番号
17番
生年月日
1995年6月27日
身長/体重
163㎝/60kg
得意なプレー
ゴール前での動き、豊富な運動量
選手経歴
FCKマリーゴールド→ロアッソ熊本ジュニアユース→ロアッソ熊本ユース→中央大学→ロアッソ熊本→カマタマーレ讃岐
趣味
読書
好きな言葉
失敗とは転ぶことではなく、立ち上がらないことである
棋士

谷口 由紀(たにぐち ゆき)

所属
日本将棋連盟 女流二段
棋士番号
42
生年月日
1993年3月6日
出身地
大阪府大阪狭山市
師匠
森信雄七段
趣味
運動
好きな言葉
一意専心
SNS
Twitter:https://twitter.com/muroyan_y
(株)TSUBASA代表取締役

岩本 義弘(いわもと よしひろ)

経歴
(株)TSUBASA代表取締役/編集者/インタビュアー/スポーツコンサルタント&ジャーナリスト/サッカー解説者/南葛SCゼネラルマネージャー
1972年7月24日生まれ。 (株)フロムワンにて『サッカーキング』『ワールドサッカーキング』など、各媒体の編集長を歴任。国内外のサッカー選手への豊富なインタビュー経験を持つ。現在はメディア関連の仕事に加え、『キャプテン翼』のライツ事業をグローバルで手がける。

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