社会人一年生アスリートが30歳までに1,000万円貯蓄は可能か…専門家に聞く - Athlete Channel(アスリートチャンネル) - gooスポーツ

goo スポーツ

Athlete ChannelTM

Athlete

フットゴルフ

前田 春香

2019/2/18

社会人一年生アスリートが30歳までに1,000万円貯蓄は可能か…専門家に聞く

 2018年4月に新卒で就職したばかり社会人一年生のフットゴルフ女子日本代表・前田春香選手には、仕事と競技を両立しながら30歳で1,000万円を貯めるという目標がある。しかし現状は、家計簿すらつけていないのだとか。そこで、ファイナンシャルプランナーの中嶋よしふみ氏が、前田選手の経済状況をチェック。目標達成への道を探る。

編集者 田村一人
(株)トリプルダブル代表

お金を貯める前にやることとは…

前田:初めまして、前田と申します。本日はよろしくお願いします。

中嶋:こちらこそよろしくお願いします。実は私、フットゴルフというスポーツを初めて聞きまして・・・。海外では随分普及しているんですね。しかも前田さんは日本代表として活躍されているのだとか。

前田:はい。昨年、社会人となり仕事をしながらフットゴルファーとして活動しています。今日は、私のような社会人一年生が普通の生活とフットゴルフを両立して、さらにお金を貯める方法はないか相談させて頂ければと思っています。

中嶋:わかりました。前田さんには30歳までに1,000万円を貯めたいと言う目標もあると聞いていますが。

前田:そうなんです。漠然とですが、家が欲しいなと思っていまして。

中嶋:なるほど。前田さんは現在23歳ですから、単純計算すると7年間で貯蓄をすることになりますね。1年で約142万円、ということは1ヵ月で約12万円。これはかなり険しい道のりですよ!

前田:やっぱり・・・。

中嶋:でも、あきらめないで下さい。まず貯蓄をするには、ご自分が毎月どのくらい貯められるのかを確認することが必要です。そのためには毎月の支出を調べ、どのくらい使って良いのかを確認することが大切になります。前田さんは現在、例えば家計簿をつけるなど、毎月ご自分がどのくらい支出しているかご存知ですか。

家計簿なし、貯金は「余った分」・・・悩める乙女の現実

前田:それが何もしていなくて・・・。実は毎月どれだけ使っているか、正直自分でもわかっていません。貯金も決まった額を貯めているのではなく、その月が終わって「余った分が貯金」という感じです。

中嶋:実際のところ、若い方の多くが明確に貯金をしているわけではないようですね(笑)。「マネーフォワード」などの家計簿アプリはご存知ですか。クレジットカードや振り込みでの支払い、モバイルSuicaなどのネットの履歴を自動的に取り込んで家計簿としてチェックできるアプリです。アプリなら最初にカード情報などを登録すれば、後は自動でデータを取り込んでくれます。可能な限り現金を使わなければ支出がすぐにわかりますよ。

支出を家賃、光熱費、食費、携帯電話代など毎月ほぼ一定の生活費と、生活費以外の支出、主にお小遣い的な支出である変動費で分けてチェックすることが大切です。前田さんにとって、変動する出費にはどのようなものがありますか。

前田:フットゴルフや洋服代、友人との交際費がほとんどですね。(フットゴルフで)国際大会があると、行き先で異なりますが、かなりの支出になります。

中嶋:事前にお給料と家賃などを伺っていましたが、前田さんは家賃補助などもあり固定費が実家暮らし並みに抑えられていますね。変動費、つまり自由に使えるお金が毎月17万円ほどと、同年代の方々の中ではかなり恵まれていると言えます。

前田:確かに学生時代に比べれば、お金を貯めることはできています。ただ、フットゴルフの国内大会で毎月交通費なども入れて2万円ほどかかりますし、例えば昨年12月のワールドカップでモロッコ遠征をした時には30万円ほど使ってしまいました。

貯金1,000万円の壁は高い! 目標達成のプロセスとは?

中嶋:やはり、競技活動の負担は大きいですね。昨年から社会人とのことですが、保険などには加入していますか。

前田:社会人になったことをきっかけに生命保険と年金保険に加入しています。毎月合計2万円ほどの保険料です。

中嶋:了解しました。先ほどの17万円から、保険料2万円、フットゴルフ2万円(参加する大会や時期によって異なる)を単純に差し引きすると毎月13万円。貯金だけで目標を達成するには、ほぼ全額を貯めるということになってしまいますね。

前田:・・・。

中嶋:加入されている生命保険は、がん保険なども含まれているようですが、前田さんはまだ23歳ですし、独身です。前田さんのお給料を頼りにされている方がいない現状では、不要に感じます。がん保険は若いうちは女性の方が、がんにかかりやすいので検討の余地はありますが、保障額が少なければあっても無くてもあまり変わりないですね。万が一に備えてメリハリをつけて加入する、と考えて下さい。この保険は解約すれば月に1万円ほど浮きますから、けっこう大きいと思いますよ。年金保険は、加入期間がまだ短いため解約返戻金で損するでしょうし、貯金と考えれば解約する必要はないと思います。会社の団体保険はご確認されたことはありますか。

前田:調べたことはありませんが、安いということは知っています。

中嶋:そうなんですよ。団体保険は個人契約よりも割安です。退職すると継続できないというデメリットはありますが、保険については団体保険をしっかりお調べになったほうが良いですね。

前田:わかりました。調べてみます!

中嶋:いずれにしても、30歳で1,000万円の貯蓄はかなり高いハードル。できれば年齢をもう少し引き上げても良いように感じますが、それでは前田さんのご希望に沿ってはいませんよね。次回からは目標達成できる可能性として、その方法をお話しできればと思います。

前田:よろしくお願いします!

(次回に続く…)

< 記事の更新予定は、こちらでお知らせします ⇒ @athlete_channel

アスリート一覧

フットゴルフ

前田 春香(まえだ はるか)

所属
Ganador Footgolf Club
生年月日
1995年11月27日
出身地
宮崎県
身長
157cm
プロフィール
小学校3年生から高校3年生までは男子サッカー部に所属。立命館大学在学中の2016年8月にフットゴルフジャパンオープンで初めて競技参加すると、女子日本代表として同年11月に米国で行われた日米対抗戦パシフィック・トロフィーに出場。昨年12月にモロッコで開催された第3回フットゴルフワールドカップでは女子の部16位タイと善戦した。現在は、競技を続けながら、2018年4月に新卒で入社した富士通株式会社で社会人一年生として奮闘する日々。
得意なプレー
インステップキック
趣味
YouTube鑑賞
好きな言葉
やさしく あたたかく 丁寧に
SNS
Instagram: @q6m01
一般社団法人 日本フットゴルフ協会会長、国際フットゴルフ連盟副会長

松浦 新平(まつうら しんぺい)

生年月日
1973年8月10日
出身地
埼玉県
プロフィール
サッカー選手引退後、コロンビアで最年少(当時)エメラルドバイヤーとして活躍。その後、起業し、日本のフットサル場経営の先駆けを作る。 2005年に株式会社OK LABELを設立し代表取締役に就任。2014年には日本にフットゴルフを持ち込み、一般社団法人日本フットゴルフ協会を設立し初代会長に就任。2016年には世界約40カ国が加盟する FIFG(国際フットゴルフ連盟)副会長に就任。2024年パリオリンピック正式種目入りを目指し日々活動中。
ファイナンシャルプランナー、シェアーズカフェ・オンライン編集長

中嶋 よしふみ(なかじま よしふみ)

経歴
ファイナンシャルプランナー、シェアーズカフェ・オンライン編集長。個人向けにお金のアドバイスを提供。特に住宅購入の相談を得意とする。保険を売らないFP。経済誌の連載、書籍執筆の他、テレビ・ラジオ・雑誌等に出演や取材協力多数。79年生まれ

関連記事

おすすめの記事

^

「Athlete ChannelTMとは

アスリートとみなさんが、さまざまなテーマを通じて新たに出会える交流の場を目指しています。
アスリートのスポーツに対する想いをはじめ、趣味やプライベート、今実現してみたいことなど、アスリートから発信されるストーリーをお届けします。
【提供:株式会社NTTドコモ、株式会社Candee】